自然災害による債務整理

自然災害被災者債務整理ガイドライン

災害救助法の適用地域で自然災害による影響を受け、住宅ローン等の支払が困難になった場合、可能な限り破産以外の手段で被災者を救済しようという債務整理ガイドライン「自然災害被災者債務整理ガイドライン」があります。

災害によって住居や職場などの生活基盤が影響を受けたことで、住宅ローンや事業ローンの債務を支払えなくなったとき(あるいは将来的に支払えなくなると見込まれるとき)、このガイドラインに基づき、貸主(クレジットカード会社等)と個人や法人が債務整理の相談を行うことが可能となります。
国の補助により、弁護士等の専門家が手続きの支援と、債権者債務者にとって中立の立場で支援をします。

このガイドラインは金融機関や商工団体、弁護士会等の識者が策定したもので、民間企業等が設定した自主ルールのため、法的な拘束力はありません。
そのため、申し込めば必ず減免等が行われるとは限らないものの、被災した法人や個人の一日も早い再起のため、債権者が尊重し協力すべき事項として周知されています。

被災者による信用情報の開示請求

信用情報機関もこの取り組みに賛同し、被災による延滞情報や、自然災害債務整理ガイドラインに基づいて行われた債務整理の情報については、個人信用情報として登録しないものとしています。
そのため、その後の事業や生活再建のための借入時に影響が及ばないようになっています。

また、全国銀行個人信用情報センター(KSC)とCICにおいては、個人信用情報の開示手数料を無償としています。
(3か月以内に発行された罹災証明書等が必要です)

 

対象の債権者(貸主)の範囲

金融機関等
銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協、漁協、政府系金融機関
貸金業者、リース会社、クレジット会社
債権回収会社、信用保証協会
農業信用基金協会等

適用の条件

・災害の影響で住居、勤務先等の生活基盤に被害が及び、結果、住宅ローン等が弁済できない

・弁済について誠実に向き合い、財産状況を債権者に正しく開示していること

・ 災害発生以前に多くの延滞や未払いなど、債権者に損失を与える行為がなかったこと

・このガイドラインに基づく債務整理を行った場合に、債権者にとって、債務者が破産や民事再生手続をした場合と同等以上の回収が行える見込みがあること

・事業者の場合、その事業に価値があり、債権者の支援により再建の可能性があること

・ 反社会的勢力ではないこと

・過去に破産等の事実がないこと

詳しくは「一般社団法人自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関」のホームページで確認できます。

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