クレジットカードで現金を借りる場合と商品を分割払いで購入する場合は、適用される法律が異なりますが、どちらも信用情報機関に情報が登録されます。
クレジットカードで現金を借りる(キャッシング)
クレジットカード会社は貸金業者の扱いとなります。
適用される法律は「貸金業法」です。
貸金業法(旧貸金業規制法)
無登録業者(闇金融)の排除、上限金利の設定、借入額の総量規制(年収の1/3を超える新規借入禁止)、借入額に応じ年収(専業主婦の場合配偶者の年収)を証明する必要がある等、貸しすぎ、借りすぎを防ぎ、貸金業者を厳しく規制することを目的にしています。
顧客の信用情報の確認も、この法律で規定された貸付前に確認する義務の一つです。
クレジットカードで商品(あるいはサービス)を購入する(ショッピング)
ショッピングに「貸金業法」は適用されず、リボ払い、分割払い、ボーナス払いには「割賦販売法」が適用されます。
しかし、2010年の割賦販売法の改正により、クレジットカードの利用に関する情報も信用情報機関への登録が義務付けられました。
これは、カード加盟店などの執拗な勧誘や、消費者側が手軽に複数の割賦購入ができてしまう状況などを鑑みたもので、クレジット業者に「顧客の支払能力を超えたクレジット契約を結ばないよう調査する義務が課せられました。
他社のクレジットの利用状況や延滞情報を確認するため新たに「指定信用情報機関制度」が設けられ、信用情報機関での支払可能見込み額の確認が義務付けられたものです。同時に、その指定信用情報機関に対して、顧客の基礎特定信用情報を登録する義務も生まれました。
割賦販売法・貸金業法の指定信用情報機関はCICです。
割賦販売法
消費者保護のためのクーリングオフ制度や、販売者保護のための商品所有権(完済するまでは商品の所有権は割賦販売元にある)などを規定している。
一部のクレジットカード会社に対しては登録制とし、既払金の返還などの義務を課しているのもこの法律による。
割賦販売法
商品代金やサービス代金の分割払い・延べ払いに関する法律です。
規制の対象は「後払いの分割払い」となります。
取引の公正さを確保すること、購入者保護のための救済策(クーリングオフ等、条件により申し込みや意思表示の撤回や取り消しができる)などを定めたものです。
クレジットカードの普及に伴い、カード番号の安全な管理や情報漏洩・不正利用防止などについても規定しています。
直近では2020年(令和2)年の改正で、少額の分割後払規制、審査手法QR決済事業者等へのセキュリティ対策などにも言及し、安全で多様な決済手段の整備にも努めています。
割賦販売は「割賦販売」「信用購入あっせん」「ローン提携販売」3種に分類されます。
割賦販売
商品を分割払い(後払い)で販売すること。
消費者(購入者)と販売元(会社)は「割賦販売契約」を結びます。
信用購入あっせん
消費者に代わり、クレジット会社等が代金の支払いをし、消費者が後日支払いをする方式。
(割賦販売との違いは、支払う会社への代金の支払いは2ヵ月を超えた先であること)
消費者と販売元は「売買契約」を、消費者とクレジット会社は「立替払契約」をそれぞれ結ぶ形です。
ローン提携販売
消費者が、購入する商品等の代金を金融機関から借り入れ、分割の後払いで返済する方式。
販売元は消費者の支払い(債務)を保証します。
消費者と金融機関は「金銭消費貸借契約」を、消費者と販売元は「売買契約・保証委託契約」を、金融機関と販売元は「保証契約」を結びます。